二つの封筒のディレンマと錯誤(補足2)

気分が乗ったので一気に書いた。

部分の統計と全体の統計

以前どこかで似たような例を使った説明を見た覚えがあるんだけど見つけられなかった。
こういうパターン多いな。
こういう状況を考える。

A君とB君が100問のテストを受けた。
途中に休憩をはさんだ。
前半にA君は10問終わって2問正解、B君は90問終わって27問正解だった
後半にA君は残りの90問を終えて36問正解、B君は10問終わって5問正解だった

ここで正答率を計算すると
A君 前半 20% 後半 40%
B君 前半 27% 後半 50%
になる。

つまり前半も後半もB君がA君に勝っている。
でもトータルではA君は正答率38%でB君は32%だ。

これは二つの封筒の問題と直接関係は無いけど、「部分部分の統計が全体には当てはまらない場合がある」ということの比喩として捕らえてもらいたい。
なぜ部分の統計と全体の統計に矛盾が出るかと言うと、各部分で見たときの1%の重さが違うからなのだ。

じゃあ二つの封筒の問題はどう考えればいいか。
封筒を取り替えた場合の期待値は1.25倍である、というのは実は個別の試行での期待値になる。
しかしこれは何度も試行を繰り返したときに平均的に得られる合計金額の期待値ではない。
なぜかというと、賭けに勝ったときの+100%と賭けに負けたときの−50%の重みがその時々の試行で違うからだ。
これは言い換えれば、封筒の金額に範囲の制限が無い場合、それまでのどんな勝ち負けも一度でひっくり返ってしまうような可能性が常に存在すると言うことだ。
つまり1万円や10万円のあたりでコツコツと2倍にしつづけても、100万円のところで一度負けたらおじゃんなのだ。

期待値が1.25倍なのに繰り返しても得にはならないという説明になったかな?

さすがにここまで全部読む人はほとんどいないんだろうという気がするけどまあ自己満足だし。