今朝、運転しながらハンドルの上に雑誌を開いてカップ麺を食べてる人を見た

波野さんのブログで見たこの記事
 前から言われてることなんだけどね
ちょっと検索してみたらもう少し詳しい話が出ていた。
 携帯電話はドライバーを「老化」させる――米研究者
確かに前から言われてることだとは思う。
人間の処理能力には限界があるわけで、複数のタスクに振り分けたら一つ一つのタスクはスループットが落ちてしまうのは当然だ。
波野さんは

運転中の会話だってラジオ聞くのだって同じことじゃないかと思うんだけど

と言っているが、これらに関しては以下の違いがあると思う。

  • ラジオは一方向メディアなので内容を全て理解して返答することが求められていない。なのでほとんどの場合、詳細は聞き流している
  • 運転中の同乗者との会話に比べて携帯電話は音声の解像度もS/N比も圧倒的に低い。がんばって聞かないと何を言っているか聞き取れないので集中してしまう

とはいえ運転中にメールなんかで携帯の画面を注視しているのに比べたらハンズフリーキットを使った会話なんて全然マシだろうとは思う。
実験の内容とか統計に関してもまあどうなんだろうと思う部分はあるが、ハンズフリーキットでの通話で反応速度が遅くなるだろうという点に特に異論は無い。


実はここまでが前置きで本論はここから。
僕がこの記事を読んで微妙に違和感を覚えたのは

20歳のドライバーが運転中に携帯電話を使った場合、その反応時間は携帯電話を使っていない70歳のドライバーと同じになる

という部分だ。
こういう表現はわりと良く使われている。
僕がこういう表現を聞いて初めて「えっ?」と思ったのは、大学時代に知り合いの女の子が「20歳の女の子の肌の日光に対する抵抗力は70歳の男の人と同じくらいしかないのよ」って言ったのを聞いたときだった。
その子は多分ファッション誌かなにかで読んできたんだろう。
僕も一瞬、「へえ、女の子の肌って弱いんだなあ」って思ってしまったが、よくよく考えたら肌って加齢でそんなにどんどん弱くなるもんだろうか。
弱くなるかもしれないとは思うけど、20歳と70歳という数字から受ける印象ほど大きな差はないかもしれないよな。
反応速度でも同じようなことが言えるんじゃ無いだろうか。
実際この記事では、反応速度に関して別にちゃんと

今回の研究では、年齢にかかわらず、携帯電話で話しているドライバーは、そうでないドライバーよりもブレーキを踏む速度が18%遅いことが示された。

って数字も出てる。
数字が出てるからちゃんと読めば意味が分かるけど、斜め読みしたら「20歳が70歳かぁ」って思っちゃうかもしれない。
ことによると数字の印象から反応時間が3倍もかかるみたいな気がしちゃうことすらありそうだ。
結局、誰でも容易に想像できる因果関係が無いような年齢と反応速度みたいな場合には、それは例え話としては適切じゃないと思うのだ。
「僕の貯金は70歳の人の平均と同じくらいだ」とか言っても多いのか少ないのかサッパリわからないだろう。


しかし20歳の人が通話してると70歳の人と同じ反応速度だから危険だってことは、70歳の人はハナから危険だってことだよな。
運転免許って一度取っちゃえば更新は楽々だからどうみても運転士ちゃまずそうな人が運転してるけどあれはどうなんだろう。


ついでに小ネタをもう1つ。
 音刺激、光刺激に対する反応速度
タバコを吸ってる人も運転させない方がいいかもね。