日本の技術者は奴隷?

まあいまさらなんだけど、日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」のコーナーを読んでいたら、例の青色LEDの中村教授のインタビューが載っていた。
中村教授の今回の件に関してはネット上の記事しか見たことが無いので、中村さんの「日本の司法制度は腐っている」という発言は「自分の取り分が減ったので許せん」という意味なんだろうなとなんとなく思っていた。
ネット上のニュース記事などは比較的文字数が少ないのでそこらへんのニュアンスが分かりにくかったのだ。
今回の日経ビジネスのインタビューを読んだらもう少し細かいところが書いてある。
中村さんの論点はどうやら二つあるようで、

  • 自分の取り分が少なすぎる

という点ともう1つは

  • 公正な裁判が受けられなかった

ということらしい。
後者に関して中村さんは、証拠品は日亜化学側が隠していて提出を求めても無視される、証人も召喚できない、という状況で6億円程度を落としどころにするという結論がまずありきの裁判だったと言っている。
まあこれがどの程度本当かは分からないが、納得のできるまでの議論が尽くされなかったというのは事実かもしれないので、この部分は認めないとなんないな。


ところでもう1個、「6億ぽっちかよ!」という部分に関してはこの人の主張はちょっとなあという感じだ。
会社組織に所属するということは、自分の貢献によって得られる利益をある程度他の人と平均化するということに同意しているということだと思う。
どんなに優れた能力を持っていても必ず優れた結果を残せるかどうかは分からない。
だからこそ組織に所属するのであって、会社組織に所属することで仮に結果が出せなかったときにでもある程度の収入が保証されるのだ。
時には結果を出すどころか損害を出すことすらあるわけだが、それすらも会社組織全体で平均化することで個人でかぶらなくて済むようになっている。
自分に能力があって自分の成果から発生する利益を全部受けたいと思うなら、組織に所属しないで独立するなりなんなりすればいい。
それをやらないで結果が出てから自分の手柄だから自分が利益を受けたいというのはあとだしジャンケンのような気がしてならない。
もちろん貢献度によって報酬にもある程度の差がつかないとできる人のモチベーションが下がってしますということはあるが、そのようなことはあらかじめ合意しておくべきもので、何年も経ってから蒸し返すようなものではないと思う。
宝くじの共同購入をするときと同じで、当たりが出てから取り分の交渉をしてもこじれるばかりだ。


まあ偉そうなこと書きましたが、僕は今のところ立派な成果を出した誰か他の人が生み出した利益から給料もらってます。
奴隷でもいいです。
楽だし。