うちの職場はトイレの前に給湯器があるんだけど、今日もそこで同僚の1人がお湯のボタンを押していた。
その人が離れていったあとでさらに別の同僚(というか先輩)が傍らの紙ナプキンを手にして給湯器のボタンを拭き始めた。
「どうしたんですか?」
 「さっきのIさんさ、トイレから出るときに手を洗わないんだよ。しかも大のほうだよ?」


個人的にはどうということはないのだけれど、やっぱり気にする人は気にするんだなあって感じだ。
ところでこの人の中では、小より大のほうがより手を洗うべきだということになっているんだな。
僕もこれを聞くまで考えてもみなかったけど、もしかしてより汚いのは小のほうなんじゃないだろうか。
大のときの動作はせいぜい下着の両側を持って下げるくらいだ。
それ以外で特に直接肌に触れることなどもない。
一方、小のほうでは特定部位を保持して一定の姿勢に保たないといけないし、飛沫がふりかかるのを直接感知することすらある。
ということは、どちらか選ぶなら小のときこそ手を洗うべきなのではないか。

「どう思う?」
 「両方洗え」
「ごもっともです」
この公理系には背中律はなりたたないのであった。