親子が同じ年齢で殺される確率は

今日のZAKZAKの記事だがこれ。
 「20万人に1人」Wの悲劇、母娘が同年齢で殺害

お気の毒な事件なのは間違いないけど気になったのはそこじゃなくて確率の扱い。

 法務省の「犯罪白書」によると、平成15年に殺人事件の被害者となり死亡した人は約700人。同年の人口は約1億2761万人のため、国民の「約20万人に1人」が殺人の被害者となる計算。母娘が同年齢で被害者になるという確率はこれよりも相当下がるのは間違いなさそうだ。

間違いありますよ。
まあ700人とかそのあたりは疑わないことにする。めんどくさいから。
統計と確率はまた別のものだし、年齢や性別や職業やすんでる地域でも殺される確率は変わってくるからほんとは一様じゃないんだけど、今回気になった部分はそこのとこじゃないので近似的に「20万分の1」はこのまま受け入れることにする。
この場合にこの「約20万人に1人」というのが何を表しているかというと、「任意の人がある一年間に殺される確率」を表している。
つまり僕が向こう一年に殺される確率も20万分の1だし、親が殺された人が親が殺された年齢と同じ一年間に殺される確率も20万分の1ということだ。


ってここまで書いて思ったけど、僕の言ってることも微妙に正確じゃないな。
確率というのは全事象に対して定義するんだから、なにに対する確率が20万分の1かちゃんと書かないといけないね。
えー、

  • 無作為に選んだ人が向こう一年で殺される確率は20万分の1
  • 親が殺された人が親と同じ年齢で殺される確率は20万分の1
  • 親が殺された人が殺される確率は平均年齢80歳として2500分の1

実際には殺人の多くは金銭がらみや怨恨で、金銭問題を起こすような体質は遺伝子外遺伝するのでこの2番目3番目の確率はもう少し高いんじゃないかと思うけどまあそこは憶測。


ここでちょっと思い出した小話を。
出典は忘れちった

ジョージは飛行機恐怖症だった。
爆弾魔と乗り合わせるのではないかという不安が頭から離れなかったからだ。
相談を受けたカウンセラーはジョージに告げた。
「飛行機に爆弾魔が乗っている確率は20万分の1くらいなんですよ。心配する必要はありません」
それでも心配が頭からぬぐえないジョージはカウンセラーに聞いた。
「じゃあ爆弾魔が同じ飛行機に2人乗り合わせる確率はどれくらいですか?」
「それですと100兆分の1くらいですね」


それ以来ジョージの飛行機恐怖症は解消した。
ジョージは飛行機に乗るときにかならず爆弾を持参することにしたのだ。

理系的にどこが間違っているかは分かりますね。