新年掃除

今日は休日で天気が良くて家にいて起きていた。
これだけの条件が揃うのはめったにないことだ。
庭の側のカーテンを開けてみたら太陽が照っていたんだが、よく見るとガラス戸がかなり汚れている。
理系なので年末に大掃除などと言う非科学的なことはしなかったのだ。
とはいえ気がついたときに掃除をしておいてもバチは当たるまい。(バチというのも非科学的ではあるがこの場合はレトリックの一種と捉えていただけばよい)

捨ててもいいようなボロボロのタオルを冷たい水にひたして遠慮がちにかるーく絞る。
指がちぎれそうな冷水だ。
ガラス戸をさっとひと拭きするとたちどころにまっ黒になる。
ひととおり拭いたところでタオルをゆすぎなおしてもう一度。
最後に念入りに絞ったタオルで乾拭きをするとスカッと透明になった。
こうやってガラス戸を拭いたのは2年ぶりくらいかもしれない。
ささやかな満足感を感じながらコーヒーを淹れた。
拭いたばかりのガラスを通して差し込む新年の光を目を細めて眺めながら僕は思った。
チンダル現象か、、、」