ゆとり教育は大成功だった!

理数系学会が中央教育審議会にあてて、もっと授業をちゃんとやれって提言したってことらしいですぜ!

日本数学会の浪川幸彦名古屋大教授は記者会見で「生きる力を育てる趣旨は結構だが、系統だったカリキュラムを破壊した今のゆとり教育は、逆に子どもたちの考える力を落とした明らかな政策の失敗だ」と話した。

ワシが言いたかったのはまさにそれなんだよ、チミィ!と一瞬思ったわけですが、タイムリーにもSimple- 憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向日記
 学力低下がゆとり教育の目的というエントリがあった。
ここで引用されていた前教育課程審議会会長・三浦朱門の発言はまったくの初耳だったのだが、調べてみたらかなり有名らしい。
孫引きになるがここで引用しておく。

学力低下は予測し得る不安と言うか、覚悟しながら教課審をやっとりました。いや、逆に平均学力が下がらないようでは、これからの日本はどうにもならんということです。つまり、できん者はできんままで結構。戦後五十年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかり注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張っていきます。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです。

(中略)

平均学力が高いのは、遅れてる国が近代国家に追いつけ追い越せと国民の尻を叩いた結果ですよ。国際比較をすれば、アメリカやヨーロッパの点数は低いけど、すごいリーダーも出てくる。日本もそういう先進国型になっていかなければいけません。それが”ゆとり教育”の本当の目的。エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどく言っただけの話だ」

これは目からうろこだ。
つい最近も日本の生徒の学力が低下したとか話題になっていたが、これが狙い通りだったとは!
たしかに最近バカがどんどんバカになって賢い子はどんどん賢く二極分化が進んでいる感じがする。
しかしなんの天然資源もなく勤勉こそが美徳だったこの国で、これから先切り捨てられてしまうことになった下半分というか下から9割の人達はどうなってしまうんだろうか。
個人的には一部の頭のいい人を犠牲にしてでも全員が最低限のレベルに底上げされるような教育の方がいいと思うんだけどね。
アメリカみたいな社会になったらいやだもん。


さて、教育関係でもう一個。
 新テストで「学力」チェック
答えだけじゃなくて考え方の過程を書かせて評価するテストを開発中だそうですよ。
このテストの方式で

プロジェクト全体のリーダーであるお茶の水女子大の耳塚寛明教授が普通のテストとPAの得点を分析したところ、普通のテストの方が保護者の学歴や受験塾通塾の有無と強く結びついていた。「PAは家庭的に恵まれない子に福音をもたらす可能性がある」と耳塚教授。

それはちょっと違うと思いますよ、耳塚先生。
なぜ普通のテストのほうがPAより保護者の学歴や受験塾通塾の有無と強く結びついているかというとですね、塾や受験勉強で普通のテストの対策をしているからじゃないですかね。
もし子供の学力がPAで評価されるようになったら、塾でもPAの対策をはじめるわけですよ。
結局どんな方法で評価してもその評価法に合わせた対策ができる層が有利になるのは当然なのですよ。
知能検査やSPIですら対策講座がある世の中ですから。
そりゃPAは子供がつまづいてる場所を見つけて適切な指導をするのには役に立つでしょうが、環境の差を埋めてあげることはできません。