田舎の感応式信号

今日も先ほどちょっと出かけようとしたら近所の信号に引っかかった。
この信号は比較的大きい通りとまったく往来の無いものすごく細い道のT字路にあって、感応式になっている。
これが引っかかるとけっこう長い。
夜中は特に長く設定してあるらしく、センサに引っかかってから青信号になるまで実測で3分もかかった。
実際に引っかかってみると分かるが信号待ち3分というのは相当に長い。
これまで何十回となくこの信号に引っかかっているが、夜中に待っている間に後ろに車が並んだことは無かった気がする。それほど交通量の少ない道なのだ。
昼間はもう少し交通量があるので、数回に一回はここで引っかかって他の車と一緒に信号待ちすることになる。
また昼間の待ち時間は夜中に比べるとかなり短く感じる。


どうやらここの感応式信号の待ち時間は交通量が少ない時間帯ほど長くなるように設定されているようだ。
なぜこのような設定にされてしまったのだろうか。
通常、交通信号のスケジューリングは全体の流れが最もスムーズになるように設定されているのではないかと思う。
交通量が少ない時間帯ほど長く待つというのは圧倒的多数である幹線道路がわに有利になるようになっているという点で一見妥当に思える。
つまり横道側の待ち時間を伸ばすと幹線道路側の可用性が上がるという意図があったのだろうと思う。
しかし、このケースのように横道側の交通量が非常に少ない場合には、幹線道路側の可用度は横道側の到着数だけにほぼ依存する。
ある程度待ち時間を長くしてもどのみち一回信号が切り替わるたびに一台しか出て行かないのだから、待っている時間は完全に無駄なのだ。
ということは夜中の待ち時間こそゼロにすべきだ。
逆に昼間の待ち時間は長くした方が一度にたくさんの車をまとめて横道から出すことができるので幹線道路側の可用度は飛躍的に上昇する。
横道側の交通量がどのレベルから待ち時間ゼロに切り替えてもよいかについては、ポアソン分布にしたがったランダムな到着頻度のサンプルを使ってモンテカルロシミュレーションなどを行うと最適な境界値が計算できると思う。
このあたりは交通工学と呼ばれるジャンルではすでに当然のこととなっているはずだ。
都市部では実際に交通の流量をリアルタイムに監視しながらの動的な信号スケジューリングなどによって渋滞が多少なりとも緩和されていると聞くが、残念ながら田舎の隅っこではそんなものは無縁なようだ。