室温が同じでも体感温度が違う?

夜が寒くなってきたんで思い出した豆知識。

うちの職場は空調完備でだいたい一年中同じ室温になってる。
夏場でも27度くらいで冬場でも25度くらいでだいたい均一。
でもなぜか異常に熱かったり寒かったりするときがある。
そんなときに隣の人が暑い暑いと言い出したりするわけだが、理系としてはこのような主観による言明を看過することは出来ない。
しょうがないので温度計を見てこう言う。
「室温27度で昨日と同じです」
僕も暑いなあとは思っているんだけど、自分の感覚よりも温度計を優先しなければならない。
無責任に暑い暑いと言っていればいいわけにはいかないのが理系のつらいところだ。

さて、実は最近まで考えもしなかっことだけど、実はこの論理には誤りがあることに気づいた。

僕はずっと、体感温度は空気温と風速で決まるものだと思っていた。
いわゆるリンケの体感温度というやつで、サバイバルの本なんかで「風速が1メートル増すと体感温度が一度下がる」というのはこの指標によるものだ。

体感温度にはもうひとつ、ミスナールの体感温度というものがある(らしい)。
これは空気温と湿度によるもので、大雑把に言うと10度以上では湿度が上がると温かく(あるいは暑く)感じ、それ以下では湿度が上がると寒く感じるというものだ。
これは冬場の寒いときに少しでも温かくなるかもと思って加湿器のスイッチを入れるとどんどん寒くなるような気がしていた経験とも一致する。
っつーかずっと湿度が上がると温かくなるはずだと信じて加湿器のスイッチ入れてガマンしてましたよ。
チクショウ。

上記2点を考慮すれば職場の体感温度に関して説明がつくかと思ったけど、よくよく考えたらもうひとつ重要なファクターがあった。(重要なファクターという言い方は理系的にはかっこいい表現だ)
なにかというと、輻射だ。
熱の伝わり方には伝導・対流・放射の3種類があると高校で習ったが(中学か?)このうちの放射を使って壁から伝わってくる熱のことだ。
試しに体感温度輻射でグーグルしてみると、住まいの豆知識みたいなサイトがたくさん引っかかった。
だいたいどこでも言ってることは同じで、無風の室内では体感温度は空気温と壁からの輻射の温度の平均であるということになっている。
うちの建物は夏場なんかは壁にさわるとじんわり焦げてきそうなほど熱い。
つーか窓際にある僕の席が夏場に異常に暑くて冬場に異常に寒いのはこのせいか!くそうくそう!

ということで現在は隣の人が寒いと文句をいうたびに僕はこう答えることができる。
「ああ、建物自体が冷えてるから輻射の作用ですね」

それでなにが解決したのかと問う人はアカデミズムと言うことが理解できていないと言わざるを得ない。