宝くじはバラで買ったほうが当たるんだよ

今年も年末ジャンボが発売らしい。
職場の女の子が「私は毎回バラで買ってる。その方が当たる確率高そうだから」っていうたびに「バーカ。どっちでも期待値なんか同じなんだよ」と思っていたわけだが、実際にはちょっと違うと気がついたのはつい最近のことだった。
確かに期待値は同じなんだが、それは当たる確率そのものじゃないわけだ。
単純に例を出すと、バラを買ったら前後賞込みの3億が当たる確率はほとんど無いわけだ。連番で買った場合は3億円当たる可能性はバラより圧倒的に高い。その代わりバラはどれかが1等または前後賞のどれかにかかる可能性が若干高い。さらに考えられないほど低い確率でバラは買ったもの全部が2億円当たる可能性すらある。
これらを平均して期待値にすると、バラでも連番でも同じになってしまうわけだ。
ということで、5千万でもいいから欲しい人はバラを買うべきだし、年末までに3億作らないとコンクリートのブーツを履いて東京湾にダイブする人は連番を買うしかない。


ちなみに「宝くじの還元率は40%だから、還元率75%の競馬の方がずっといい」という話を何十回となく聞いたり読んだりしたが、これは視点が間違っている。
還元率で考えるならギャンブルは一切やらない方がいいのだが、宝くじの目的は長期的に多くの試行で平均的に勝つことではない。
宝くじは確率が非常に低いとはいえ当たったときに人生が変わるほどの金額が手に入るのだ。
300円の宝くじの事前の期待値は120円だが事後に2億円になっていることがあるということで、みんなこの部分に賭けて宝くじを買うのだ。たとえ還元率が90%でも、300円払って2枚に一枚540円当たる宝くじならだれも買わない。


ところで平成15年度の宝くじ白書を見ると、1000万円以上の高額当選は3188本出ている。1億以上だと650本くらい。
平成15年の交通事故死亡者が8000人くらいなんだが、自分が知ってる範囲で過去10年くらいで交通事故で死んだ人は1人もいない。一億円以上当たった人を一人も知らないのも道理だ。