誕生星座と交通事故の原因

やじうまWatchの11月8日付の記事にこんなのが出ていた。

徳島県警察が5日、Webで公開したデータはとても変わった分類をしている。

やじうまWatchはかなりのメジャーサイトなので読んだ人も多いと思う。


この結果に対して徳島警察署は決して星占いではありませんとまで書いてさも統計的に意味があるかのように示唆している。
しかもご丁寧に星座別に注意すべきことまで準備してある。
こんな統計は発表すべきではないと思う。
なぜかというと、やじうまwatch山崎一幸のように

やっぱり、星座によって性格に特徴があるってことなんだろうか

と勘違いしちゃう人が出てくるからだ。(まあやじうまWatchはネタかもしれないが)


ということで一応この統計にさほどの意味は無いということを軽く示しておく。
例えばやじうまWatchには

たとえば、事故の原因が信号無視の場合、射手座や水瓶座の人は10人もいるのに、蟹座の人はたった1人しかいない

と書いてある。
別表などを参照すると

  • 信号無視は全体で73人
  • 蠍座の全体に対する構成比は6.9%

のようなので、この二点から考えると平均的には蠍座は5.03人の信号無視がいていいはずだ。
実際には、平均的に73人中5人いるはずの信号無視が1人になる確率を計算すると約1.3%となる。(計算法省略)
この表全体では違反の区分が25あって星座が12の、計300のマスがあるわけだから、平均からの乖離が上記ほど大きなマスが4個くらいあることが期待される。
つまり「信号無視は射手座が10人で蠍座が1人」というような状況は出現するのが当然だということになる。
各星座ごとに高々80人のサンプルの統計なんてモノに統計的な意味なんてないのだ。


こういうものを「もっと気楽に捕らえればいい」と言う人が多いが、それはできない。理系だし。
今のとこ一般的な人の星座に対する捕らえ方は「運勢を少しだけ左右する」程度で「その人の性格を非常に強く左右する」というふうには捉えられていない。
でもこんな統計が発表されていくとそのうち「射手座の人は不注意」などということになりかねない。
血液型差別だけでももうウンザリなんだ。